帯広の建築板金・田中板金加工所と石井建設の家づくり

家づくりは、住宅会社や大工さんだけでできるものではありません。基礎、電気、設備、そして屋根や外壁――それぞれの分野の職人が力を合わせて、一軒の家ができます。

なかでも建物を雨や雪から守る大役を担っているのが屋根の板金工事という仕事です。今回は、石井建設の家づくりを長年支えてくださっている「田中板金加工所」(帯広市)の3代目・大村直純さんに、お話を伺いました。

建築板金という仕事

「板金」と聞くと、車のへこみを直す仕事を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、住宅に関わる板金は「建築板金」と呼ばれ、車の板金とはまったく別の世界です。

大村さんの専門は、この建築板金。鉄板やトタンなど、金属に関わる部分を幅広く手がけます。屋根はもちろん、外壁の金属部分も建築板金の領域です。そのほか空調のダクトを専門にする「ダクト板金」という専門職も別途あります。

大村さん自身は、大工の見習いとして業界に入り、板金職人としてのキャリアはすでに20年以上。今は会社の代表を務めています。

一枚の平らな板から、屋根のかたちをつくる

屋根板金の仕事は、ただ既製品を取り付けるだけではありません。屋根の谷になる部分の材料などは、現場に合わせてメーカーに注文します。このとき欠かせないのが採寸です。たとえば天窓と天窓の間が2メートルなら、その寸法で必要な枚数を割り出す。破風(はふ・屋根の端の部分)まわりの役物など細部は、平らな板を職人が手で加工してかたちにしていきます。

雨漏りという、待ったなしの仕事

板金職人の仕事の半分近くはリフォーム。とりわけ雨漏りへの対応だといいます。

キッチンや設備の不具合なら「本当に壊れるまで我慢する」という方もいます。しかし雨漏りは違います。新築であっても築年数が経った家であっても、雨が漏れたときに施主が受けるショックは大きく緊急性も高いのです。

築30年ほど経った屋根などでは、赤錆が進んで手遅れになる前に、塗装で延命するのか、思いきって張り替えるのか。あと何年その家に住むのか、次の世代に引き継ぐのか。施主とじっくり話し合いながら、その家にとって一番いい方法を一緒に考えていきます。

「定期的に塗っておけば、屋根は長持ちする。そのうえで、本当に大事なときにしっかり張り替える」。金属屋根は手入れ次第で寿命が大きく変わる。だからこそ、先を見据えた提案が職人の役割になります。

屋根と外壁を長持ちさせる、金属の知識

住宅の屋根や外壁でよく使われるのが「ガルバリウム鋼板」です。大村さんによると、ガルバリウムはアルミを約70%含み、そこに亜鉛や鉄などを合わせた合金でめっきされた鋼板。この亜鉛が、鉄が錆びるのを身代わりになって守ってくれます。

劣化のサインは「白い錆(白錆)」。これが出はじめると、その先に赤錆が待っています。だからこそ、白錆の段階で塗り替えるのが長持ちのコツ。「白い錆が終わると、赤い錆が入ってくる。その前に塗りましょう」というわけです。

すべての家が同じように傷むわけではありません。何事もなければ15年、20年と持つことも珍しくない。傷みやすいのは、屋根の上に土や埃が乗ってしまう場所や、雨が当たっても水が抜けにくい場所。破風まわりなど、水はけの悪いところほど劣化が早く進みます。

谷部分に枯れ葉が詰まるのも、よくあるトラブルのひとつ。こうした環境の違いまで見極めるのが、経験を積んだ職人の目です。

一般住宅とは別に、お寺の屋根なども手がけることがあります。銅板の屋根が年月を経て緑がかってくる緑青(ろくしょう)。錆の一種でありながら、内部を守る保護膜として働き、100年単位で屋根を守ります。 丸みを帯びた社寺の屋根には決まった寸法がなく、型紙を現場で当てて写し取り、そこから墨を入れてかたちを起こしていく。「正解がわからないものを、手探りでかたちにする」難しさと面白さがあるといいます。

新築現場での板金――家づくりの”段取り”を支える

新築の現場で板金が入るのは、外部工事が終わる寸前、電気工事や設備工事が始まる前のタイミングです。大工の作業のあいだに入り込むように、屋根まわりの金属をおさめていきます。

天候にも左右されます。雨の日は基本的に作業をしません。一方、冬は雪さえ降っていなければ施工が可能。北海道の家づくりでは、この見極めも大切です。

材料の高騰と、職人を取り巻く現実

屋根の下葺き材である「アスファルトルーフィング」は原油由来の資材。近年は建築資材全般の値上がりが続き、農業用の大きな倉庫では建築費が高額になるケースもあるといいます。

材料は先に仕入れて確保しておく必要があり、支払いが売上より先に発生することも。値上げのアナウンスへの対応など経営の目も求められます。

そしてもうひとつ、業界全体の課題が「担い手」の確保です。建築板金業界の人材育成のために職業訓練指導員としても活躍する大村さんは、人を育てることの難しさ、事業を次の世代へ継ぐことの難しさも感じています。

そもそも板金という仕事は、普段なかなか目に触れません。「見たことがなければ、憧れようもない」。だからこそ、若い職人ひとりひとりがとても貴重な存在なのだといいます。

石井建設との仕事

大村さんは、石井建設の家づくりにも長く関わってきました。

印象的なのが、外壁の板張りへの取り組みです。茶色い板を四角く見せるデザインは、既製品をそのまま使うのではなく、現場で一枚一枚積み立てるようにおさめていったもの。他社ではあまりやらないような表現にも、石井建設は挑戦しているといいます。

大村さんは、石井建設のそんな姿勢を評価します。お客さんとの距離が近く、要望に丁寧に向き合う。そうした誠実さが、他社との違いだと感じているそうです。

家づくりは、同じ材料を使っても、施工する職人の腕で仕上がりが変わります。「材料以上に、施工が大事」。まっすぐ張れているか、納まりが美しいか――そのわずかな差の積み重ねが、長く住む家の質を決めていきます。石井建設は、そこを任せられる職人と、丁寧な仕事で家をつくっている会社です。

おわりに

普段は表から見えない建築板金の仕事。しかし、雨風から家を守り、長く住み続けられる住まいを支えているのは、こうした職人たちの手仕事です。石井建設は、大村さんのような信頼できる協力会社とともに、一軒一軒の家づくりに向き合っています。

会社概要

項目内容
社名田中板金加工所
代表大村直純(おおむら なおずみ)/職業訓練指導員・一級技能士
事務所〒080-0024 北海道帯広市西14条南29丁目4番地6
工場〒080-0013 北海道帯広市西3条南1丁目20番地
電話・FAX0155-23-7226
事業内容建築板金(屋根・外壁・金属加工/新築・リフォーム)

この記事を書いた人

石井建設

北海道・十勝・帯広の工務店 (株)石井建設の石井靖久です。お客様の要望を叶えるこだわりの注文住宅を丁寧なプランニング、そして腕の良い大工さん、職人さんたちと造作、意匠、住宅性能、品質面でも実現するため、年間3棟限定の家づくりをしています。