帯広のクロス職人・松田表装店と石井建設の家づくり

十勝で年間3棟限定の注文住宅を設計施工する工務店、株式会社石井建設。その家づくりには優れた職人さんたちの腕が欠かせません。前回は電気工事の職人、六日市電設の六日市直也さん。そして今回は、クロス工事を担う松田表装店の一級技能士、松田武浩さんにお話を伺いました。

3代目。帯広で約100年の歴史

松田表装店の創業は祖父の代にさかのぼります。当時は「兵具店」という屋号で、仏具なども扱っていました。父の代から「表装店」に屋号を変え、クロス・床・カーテンといった内装仕上げ専門の店として現在に至ります。創業からまもなく100年になります。

「勉強が苦手だったので、自然とこの仕事に」と笑う松田さん。中学生の頃から夏休みに父の現場を手伝い、クロス剥がしや材料運びを経験してきました。父はあまり多くを語らないタイプでしたが、仕事の丁寧さと現場の美しさは目に焼き付いています。反抗期もあったと笑いながらも、父から直接引き継ぐ形で3代目となりました。

「サラリーマン家庭なら給料だと思いますが、父が職人だったので、私もものを作ってお金をもらうっていうのが、自然な感覚でした」

1人で15年。自分の考えで働く良さ

父が体調を崩したのを機に事業を引き継ぎ、2026年で15年目を迎えます。現在は帯広を中心に十勝全域で働いています。

「個人事業主です。自分の考えで進められることが一番の魅力だと思います。一人で出来ることには限りがあるので、大きな現場では同業者の仲間に声をかけて、連携して進めることもあります」

石井建設との出会いは、十勝川の「筏下り」

松田さんと石井社長の出会いは、仕事の場ではありませんでした。約20年前、十勝川で行われた「行かなくなり(筏下り)」というイベントがきっかけです。石井社長が筏の台を自作し、松田さんが飾りを担当。チームで参加してなんと準優勝を果たしたといいます。「あれがなかったら、石井さんと仕事でもご一緒していなかったと思います」。遊びから始まった縁が、20年以上にわたる仕事上のパートナーシップへと発展していきました。

クロス職人から見た、石井建設の大工仕事

クロス張りは、大工が仕上げた下地の状態に大きく左右される仕事です。松田さんが石井建設の現場に入って最初に気づいたのは、石膏ボードを固定するビスの丁寧さでした。

「他の現場だとビスが飛び出たままパテを打ってることがあるんですが、石井さんのところはそれをしない。ビスが出ていると石膏ボードが浮いてしまって、そもそもきれいに貼れないんです」。

室内の壁に照明が当たる場所はわずかな凸凹も目立ちます。下地の精度が低い状態でパテを打っても限界があり、仕上がりが悪ければクロス職人の腕のせいにされかねません。「下地が悪くても、クロス施工が下手だと言われてしまう。だからこそ下地がきれいな現場はありがたい」と松田さんは語ります。

石井建設の現場は、施工精度が高いので、お引渡し後のクロス補修などのメンテナンスの呼び出しも少ないのです。

クロスは「表面だけの仕事」ではない

「僕らって表面だけの仕事というか」と謙遜する松田さんですが、実はクロス職人の仕事は奥が深いです。

クロスを選ぶ際、一般のお客様はカタログの色柄で選びがちですが、機能性の観点も重要です。抗菌・消臭・通気性のあるもの、紙クロスといった自然素材系のものなど、選択肢は多岐にわたります。また、カタログの小さなサンプルでは実際の空間での見え方はわかりません。

「A4サイズ程度の大きめサンプルを取り寄せて、実際にその部屋の窓際に置いてもらうんです。光の当たり方で色の見え方が全然違いますから」。

光が当たると凹凸が出やすいクロスとそうでないものがあり、カタログだけでは分かりません。「貼ってみた感じは、経験でしかわからない」。クロス職人として長年の現場で培った感覚が大切なのです。

クロスも製品によっては、凹凸が出やすい、切りづらい、扱いに気を使う——そうしたクセがあります。そうしたクセを理解し対処できるかどうかも、腕の一部です。

石井建設の現場では、お客様とのクロス打ち合わせに松田さんが直接同席することもあります。「こういう材料は後でこうなりやすいですよ」と職人の立場から直接お客様に伝えられるのは、石井建設ならではの進め方です。

職人の心がけ「焦らないこと」

クロス張りの仕上がりを左右するのは丁寧さと、焦らないことだと言います。

継ぎ目の処理、パテの打ち方、下地のわずかな凹凸をどこまで消せるか。「工期が圧縮されて急がされると、やっぱり仕上がりに影響が出る。石井さんはそのあたりの調整をうまくやってくれるので、やりやすい」。内装工事は家づくりの終盤、最も工程が詰まる時期に入ります。前工程の遅れを内装職人が吸収させられるケースも業界では珍しくない中、石井建設は職人が無理なく仕事できるよう気を配ってくれるといいます。

お客様が喜んでくれる瞬間が、この仕事の醍醐味です。「石膏ボードだらけだった空間が、クロスが貼られた途端に一気に家らしくなる。その変化を見てお客様が喜んでくれるのが、一番うれしい瞬間です」。

70歳まで現役を目指して

現在51歳の松田さん。石井社長が「俺が70まではやるから、みんな70まで」と言うと、笑顔で頷く松田さん。体が動く限り仕事を続けたいといいます。石井建設との付き合いは、これからも長く続きそうです。 

石井建設の職人紹介:大工・西保進也さん 

石井建設の職人紹介:大工・辻基康さん 

電気工事・六日市電設の六日市直也さん

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この記事を書いた人

石井建設

北海道・十勝・帯広の工務店 (株)石井建設の石井靖久です。お客様の要望を叶えるこだわりの注文住宅を丁寧なプランニング、そして腕の良い大工さん、職人さんたちと造作、意匠、住宅性能、品質面でも実現するため、年間3棟限定の家づくりをしています。